施設の概要

 当館は、昭和57年(1982)9月25日に「笠利町歴史民俗資料館」として開館し、平成18年(2006)の奄美市誕生に伴い、現在の「奄美市歴史民俗資料館」の名称となりました。

 サンゴ礁が発達した笠利町の東海岸は、多数の先史時代遺跡が集中的に分布する地域です。奄美群島が日本復帰した直後の昭和29年(1954)に行われた南日本新聞社と鹿児島大学主催の奄美大島学術調査団による宇宿貝塚の試掘調査を始まりとして、旧石器時代から中世までの各時期における重要遺跡の発掘調査が本格的に実施されてきました。

 当館では、笠利町において長きにわたって蓄積された発掘調査資料やその成果を中心に展示している「考古資料展示室」と、昭和40年代頃から旧笠利町が中心となり、収集した民具等を展示している「民俗資料展示室」で構成されています。  展示を通して、奄美大島の約30,000年前の後期旧石器時代から現代にかけて醸成されてきた歴史や文化に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

考古資料展示室

 奄美市笠利町は、これまで約100箇所を超える遺跡が確認され、後期旧石器時代から古代並行期までの先史時代遺跡が多数、分布している地域です。

 奄美大島における人類活動の始まりは、約30,000年前にさかのぼり、日本列島における人類起源の謎を解明する上でも注目されています。

 笠利町で行われてきた考古学的調査は、昭和8年(1933)の宇宿貝塚の発見、試掘調査を皮切りに断続的に行われ、当館では、これまでの調査で得られた学史的な資料をはじめとする膨大な発掘調査資料とその記録が保管されています。 この展示室では、後期旧石器時代から近世までの奄美群島を代表する重要遺跡から出土した土器・陶磁器・石器・貝製品等の考古資料を時代ごとに展示しています。また、万屋下山田遺跡で検出された縄文時代後期の集石遺構と宇宿貝塚で検出された中世の母子埋葬人骨(壮年女性)、近世の習俗等を知ることができる骨壺や仏像も展示しています。

考古資料展示室の様子

民俗資料展示室

 日本復帰後の奄美大島で、学術調査が本格的に開始されていく過程で、旧笠利町教育委員会では、昭和40年代から文化財の資料収集を丹念に進められてきました。

 戦前に使われていた古民具等の貴重な資料を収集して、公民館で保管していましたが、それらの資料が当館に移管されて保存、展示されています。

 この展示室では、主に、衣食住や、漁業、農業、林業等の生業活動、祭りや踊り等の祭祀活動に係る生活用具類を多数展示しています。 このような展示資料を通して、低平な台地が広がり、耕地に恵まれ、発達したサンゴ礁海域が広がっている笠利町における昭和時代の人々の暮らしの様子を知ることができます。

民俗資料展示室の様子
民俗資料展示室の様子

施設情報

所在地〒894-0624
鹿児島県奄美市笠利町大字須野670
TEL0997-63-9531
開館時間午前9時~午後5時
(最終入館は午後4時30分まで)
休館日月曜日・祝祭日の翌日・12月28日~1月4日
入館料一般200円/大学・高校生100円/小・中学生50円
宇宿貝塚との共通券 一般のみ310円
アクセス奄美空港より車で10分/徒歩60分
名瀬市街地より車でおよそ60分
「あやまる岬」停留所より徒歩3分
宇宿貝塚史跡公園より車で5分/徒歩30分