ご挨拶

 平成18年(2006)3月20日、笠利町・名瀬市・住用村が合併して「奄美市」が誕生しました。旧笠利町が整備した「笠利町歴史民俗資料館」と「宇宿貝塚史跡公園」、そして、旧名瀬市が整備した「名瀬市立奄美博物館」の3館が、合併により「奄美市」の博物館類似施設となりました。

 その管理運営を担い、また、学芸員たちが奄美市の自然・歴史・文化について向き合う部署が、奄美市教育委員会「文化財課」です。奄美群島唯一の総合博物館である「奄美市立奄美博物館」にその事務室があります。

 「奄美市立奄美博物館」「奄美市歴史民俗資料館」「宇宿貝塚史跡公園」の展示資料や所蔵資料をよりご理解いただくために、そして、奄美の自然・歴史・文化を理解するために欠かせない文化遺産群の理解を深めていただくために、インターネットを利用できる環境ならば、いつでもどこからでも利用できる本サイトを開設いたしました。

 郷土教育や観光情報の手がかりとして、また、学術研究の資料として活用していただければ幸いです。そのほか、入手困難な行政刊行物や資料目録、資料写真等についても、順次提供してまいります。

令和3年4月1日
奄美市教育委員会文化財課

事業概要

文化財保護施設の整備・充実

「奄美市立奄美博物館」の整備・充実

  • 常設展示の充実
  • 企画展の開催
  • 資料の収集保存及び調査研究の推進
  • 屋外展示資料の保存と活用(高倉、奄美の民家)
  • 講演会・講座・観察会等の開催
  • 施設及び設備の整備(維持管理)

「奄美市歴史民俗資料館」の整備・充実


「宇宿貝塚史跡公園」の整備・充実

文化財保護基盤の整備・充実

文化財の分布調査・発掘調査の推進

  • 文化財(史跡・有形・無形・天然記念物等)の分布調査
  • その他文化財(奄美遺産)の追加調査

文化財保存の推進

  • 国史跡「宇宿貝塚」保存活用計画の策定
  • 国重要文化財「泉家住宅」の保存活用計画の策定
  • 国史跡「赤木名城跡」保存活用計画に基づいた活動の推進
  • 国史跡「小湊フワガネク遺跡」保存活用計画に基づいた活動の推進
  • 市及び県指定文化財の新規指定に向けた取り組み
  • 天然記念物及び埋蔵文化財の保護と開発事業に係る協議・調整

文化財の活用と啓発普及活動の推進

  • 文化財の案内板・解説板の設置及び周辺環境の整備
  • 学校教育及び各教育機関との連携・協力・支援
  • 各集落における文化財活用の支援
  • 文化財ガイドマップ作成に向けた取り組み
  • 文化財巡検・遺跡見学会・発掘体験学習等の開催
  • 国・県指定及び市指定文化財の啓発普及の取り組み
  • 奄美の方言(シマグチ)を伝承する世代づくりの取り組み

文化財の継承・発展

文化財の継承

  • 世界自然遺産登録を視野に入れた環境文化の保存、継承活動の推進
  • 文化財保存団体、文化財継承団体等の育成・支援及び活動の推進
  • 奄美群島日本復帰関係資料修復保存に向けた取り組み

文化財の情報発信

  • 内外の博物館・資料館及び大学等の研究機関、研究者との連携・協力の強化
  • 「奄美希少野生生物データベース」の充実、発信
  • 「奄美遺産ホームページ」の充実、発信
  • 刊行物等による奄美研究情報の発信
  • 講演会・企画展示・シンポジウム等による研究情報の発信
  • 補助事業や助成事業等の導入による文化財の保存・継承活動の推進

組織

奄美市立奄美博物館・奄美市歴史民俗資料館・宇宿貝塚史跡公園は、教育委員会文化財課が管理運営をしています。

歴史文化基本構想

「歴史文化基本構想」とは、地域に存在する文化財を、指定・未指定にかかわらず幅広く捉えて、的確に把握し、文化財をその周辺環境まで含めて、総合的に保存・活用するための構想であり、地方公共団体が文化財保護行政を進めるための基本的な構想となるものです。

「歴史文化基本構想」の取り組みを進めるために、文化庁は全国20地区限定で「文化財総合把握モデル事業」の公募を行い、宇検村・伊仙町・奄美市の3市町村は、奄美群島における広域連携を意図しながら共同で応募しました。

その結果、全国20地区の一つとして採択が決定、平成20年度から3ヶ年にわたり、宇検村・伊仙町・奄美市における文化財の総合的な把握と、それら文化財の適切な保存・活用を推進するための「歴史文化基本構想」のモデル策定に取り組んできました。

宇検村・伊仙町・奄美市における取り組みは、特に以下の4点に特色があり、注目されています。

  • 奄美群島12市町村の連携を視野に入れて、広域市町村圏における取り組みに配慮しながら進めた。
  • 特定の時代に限定せず、各時代における通時的な文化財の掘り起しを実施した。
  • 沖縄とも鹿児島とも異なる奄美群島固有の文化財の価値や位置づけを明確にした。
  • 専門委員会に、環境、観光、都市計画等の広い分野の専門家が参加した。

下記のPDFファイルで、平成22年度に策定した宇検村・伊仙町・奄美市の「歴史文化基本構想」について閲覧できます。

赤木名城跡保存管理計画

鹿児島県奄美市笠利町大字里に所在する国指定史跡「赤木名城跡」(平成22年度国指定)について、保存管理計画が策定されています。

奄美市教育委員会では、平成25・26年度に文化庁の国宝重要文化財等保存・管理事業費補助金を受け、専門家・住民・行政等の委員から成る「赤木名城跡保存管理計画策定委員会」を設置して、計画の策定を行いました。
策定された保存管理計画は、『史跡赤木名城跡保存管理計画書』にまとめられています。

『史跡赤木名城跡保存管理計画書』は、国指定史跡赤木名城跡における恒久的な保存管理及び将来的な活用整備について、具体的方法を示したものです。

『史跡赤木名城跡保存管理計画書』は、以下の6章から構成されています。

第1章・計画策定の目的
第2章・史跡赤木名城跡の立地環境
第3章・史跡赤木名城跡の基本情報
第4章・保存管理計画
第5章・今後の課題
付編・史跡赤木名城跡をめぐる歴史的概観

下記のPDFファイルで、保存管理計画書について閲覧できます。

小湊フワガネク遺跡保存活用計画

鹿児島県奄美市名瀬大字小湊に所在する国指定史跡「小湊フワガネク遺跡」(平成22年度国指定)について、保存活用計画が策定されています。

奄美市教育委員会では、平成30年度・令和元年度に文化庁の国宝重要文化財等保存・活用事業費補助金を受け、専門家・住民・行政等の委員から成る「小湊フワガネク遺跡保存活用計画策定委員会」を設置して、計画の策定を行いました。
策定された保存活用計画は、『史跡小湊フワガネク遺跡保存活用計画書』にまとめられています。

『史跡小湊フワガネク遺跡保存活用計画書』は、国指定史跡小湊フワガネク遺跡における恒久的な保存及び将来的な活用整備について、具体的方法を示したものです。

『史跡小湊フワガネク遺跡保存活用計画書』は、以下の10章から構成されています。

第1章・保存活用計画策定の目的
第2章・史跡小湊フワガネク遺跡の基本情報
第3章・史跡の本質的価値
第4章・史跡の保存活用をめぐる現状と課題
第5章・史跡の保存活用における基本方針
第6章・史跡の保存
第7章・史跡の活用
第8章・史跡の整備
第9章・史跡の保存活用に係る運営体制
第10章・実施計画

下記のPDFファイルで、保存活用計画書について閲覧できます。