佐仁八月踊り

佐仁八月踊りの様子
佐仁八月踊りの様子

概要説明

 八月踊りは、集落の人々が輪になり、チヂン(楔(くさび)締めの太鼓)のリズムに合わせて、男女で唄を掛け合いながら踊る奄美の伝統行事です。人々が稲に宿る神霊(稲魂(いなだま))を招き、それを持って各戸を訪問する古い風習の面影がみられ、唄、踊り、楽器が三位一体となり、男女の唄の掛け合いが必須となっています。演目の違いはありますが、「八月踊り」の名で、島のほとんどの集落に残っています。奄美市笠利町佐仁集落に伝わる八月踊りは、チヂンの打ち手が女性と決まっていますが、他地域ではその限りではありません。
 旧暦の8月は、新しい季節の折り目で、夏正月ともいわれ、かつては旧暦8月最初の丙(ひのえ)の日(アラセツ)から、7日後の壬(みずのえ)の日(シバサシ)までを、踊り明かしていました。現在はアラセツの日と前夜のツカリ(前夜祭)の日の2日間と、シバサシの日とその前日の2日間、計4日間八月踊りを踊ります。佐仁の八月踊りは、伝統的かつ八月踊りの本質的な部分を継承し、将来の進化発展を期待できる点において、文化財の価値が極めて高いとされ、平成23年(2011)4月19日に鹿児島県指定文化財(無形民俗文化財)に指定されています。

指定状況

鹿児島県指定無形民俗文化財