奄美のノロ関係資料

大熊集落のノロ祭祀
大熊集落のノロ祭祀

概要説明

 ノロとは、奄美群島から沖縄諸島で集落の繁栄と安全・五穀豊穣等を祈る神祭りを行う、琉球国王から任命を受けた神女組織または個人の神女のことで、奄美が琉球王国の統治下となった15世紀中頃に、この制度が導入されたと考えられています。その祭礼等に用いられた衣装・装飾品・祭祀具や、任命時の古文書(辞令書)等が平成15年(2003)、平成18年(2006)、平成24年(2012)に鹿児島県指定文化財(有形民俗文化財)に指定されています。現在、ノロの祭礼等の活動はほとんど行われなくなっていますが、ノロ関係資料は、沖縄と関係の深い奄美の精神文化を知ることのできる貴重な資料です。指定されている「奄美大島のノロ関係資料」は44点あり、その形態・製作技法・用法等がわかるものとして重要で、奄美市、大和村、宇検村、瀬戸内町の各資料館、郷土館施設にてそれぞれ保管されています。
 奄美市立奄美博物館では、ノロが祭祀時に一番上に羽織る「大袖衣(オオソデギン)」や、その下に纏う「胴衣(ドギン)」、下半身に纏う「下裳(カカン)」等の衣装や、「ザバネ」、「アヤハブラ(ハブラザバネ)」、「ギファ(簪)」等の髪飾り、首飾りといった装飾品等の計11点を所蔵しています。

指定状況

・鹿児島県指定有形民俗文化財