宇宿貝塚

石組の建物群
石組の建物群

概要説明

 宇宿貝塚は、標高約13mの海岸砂丘(古砂丘)上に位置する、縄文時代および中世を主体とする複合遺跡で、昭和8年(1933)に京都大学の三宅宗悦博士によって発見されました。
 縄文時代は上層から無文の土器(宇宿上層式土器)、下層から文様のある土器(宇宿下層式土器)が出土して、土器の時代の先後関係を決める基準となりました。また方形に並べられた石組を持つ竪穴建物跡や貯蔵穴も見つかっており、貯蔵穴の中からは、炭化したシイの実が出土しました。その他、サンゴ礁域でも採れる多種多様な魚介類も出土しています。このようなことから、この地に集落が営まれ、定住的な生活が行われていたと考えられます。
 中世は11世紀後半~12世紀前半頃のV字状の溝や、埋葬墓等の遺構、中国の青磁、白磁、徳之島産のカムィヤキ等の遺物が確認されています。母子で埋葬された、珍しい墓坑も見つかっています。こうした貴重な発掘調査の成果から、宇宿貝塚は昭和61年(1986)10月7日に国指定史跡に指定されています。
 国史跡宇宿貝塚は整備事業が行われ、平成16年(2004)2月9日に「宇宿貝塚史跡公園」がオープンしました。宇宿貝塚で発見された竪穴建物跡等の遺構を、発掘調査がされた時の状態で見学できる展示となっておりますので、みなさまぜひご覧ください。

指定状況

・国指定史跡